“記憶の彼方”
Cannon, OR (2009)
全米で最も美しい海岸線と呼ばれている「キャノンビーチ」(Cannon Beach)で撮影したこの一枚ですが、沿岸方面に霧がかかっており、沈む夕日を見るのは難しい天候でした。
遠浅気味の広い海岸は、ゆっくりと押し寄せる波に洗われ、うっすら湿っていて、そのため光を受けて何とも言えない輝きを見せるのです。
沈む夕日が霧の中で乱反射し、それを湿った海岸に映し出す様子をコントラスト高めで収めたこの一枚は、頭の奥にある記憶の彼方のイメージを連想させます。
忘れ去った様な、でもしかしやっぱりなんとなく覚えている。そんな曖昧なのに、鮮明な記憶の1ページ。なぜかそんな感覚を覚える一枚になりました。